海外ランドスケープレポート
California State Polytechnic University
カリフォルニア州立工芸大学

大西陽子さんの留学レポート
(2005年賀状メール)
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2005 年賀状
こちらに留学してから、三か月が過ぎました。アメリカのランドスケープとはどんなものか、またランドスケープの概念そのものについて考えていきたいと、こちらでの目標をあれこれと立てていましたが、実際にこの三ヶ月間は、異国での生活、 英語での授業、また実家生だった私にとっては寮での共同生活も初めてのことで、なかなか本来の目的に集中できないこともありました。

しかし、逆に言えば、もっと基本的な人間どうしのコミュニケーションのとりかたやアメリカでの生活の仕方など、 日本との違いを多く学べたとおもいます。アメリカは、日本よりもコミュニケーションを積極的にとっていきますね。私にとってはその姿勢もこれからの留学生活で身につけたい一つだと思っています。

ランドスケープについて、秋の学期は二年生の授業を一通りとりました。植物の種類を暗記するPlant Materials and Designと、ドローイングをLandscape Graphics の授業、そしてデザインを学ぶBasic Landscape Designの三つです。

どれも課題やテストなどが多くあり、毎週毎週それらをこなすのに必死でした。しかし、その授業ではランドスケープを学ぶ上で基本的なことで、始めたばかりの私にとっては、とてもいい経験になったと思っています。植物のことも覚えた種が多くなるに連れて、分類や 特徴の関係がわかってきて、あらためてこれらを自由にデザインにおとせるようになったらすばらしいだろうなと思えました。

グラフィックの授業はすべて手書きの基本的な平面図から断面図、パースペクティブなどの書き方を習い、練習する授業です。日本ではパソコンにたよりっきりだったので、これもまたもう一度ドローイングという原点に戻るいい機会となりました。

二年生のデザインの授業の方は、設計は3課題のうち1課題で、最初の2課題はある一定の広さの場所の調査、分析をグループで行いました。もちろんどの課題も、最後にはプレゼンテーションがあります。レクチャーでは空間のことも学び、やはりランドスケープのデザインの原点も建築と同じところからくるのだということを確認できました。ここでも重要なのは<コンセプト>ですね。どのようにそのもののコンセプトを明確化していくかということは、デザイン全般においては不可欠なプロセスの一つだということをあらためて思いました。

カリフォルニア州立工芸大学は、二年生のラボでは基本的にカタチやコンセプト、デザインを学び、三年生のラボではさらに対象とする領域を広めて、調査から分析、 そのプロセスをつなげて最終的にデザインまでを行うそうです。まだ確かではありませんが、来学期はかねてからの希望だった、三年生のラボをとる予定なので、その違いもわかってくるのではないかと思います。また、授業が落ち着いたところで内 容についてはメールしたいとおもいます。


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