ランドスケープが他の建設業(土木・建築)ともっとも異なるところは、「植物」を扱うことにあり、植物の植栽を専門に扱って空間修景(公園・庭・街路樹など)を行います。
植物というのは生命体ですから、成長しますし、季節によってのバイオリズムも持っていて子孫を残し、生態系の循環の中で活動しています。個々の植物によって生育環境も違います。普段多くの人は意識しませんが、植物も人間と同じように病気になったりもします。
そのためランドスケープには植物に通じた知識と技術、それに関わる生物の生態、気候・大気・日照等の自然環境の知識をもつことが要求されます。 ここにランドスケープの特異性があるのです。
特に忘れてはならない大切なことは、ランドスケープが扱う空間というものは、植物や小動物が関わる生きた空間ですから、その後の管理が非常に大切であるということです。他の建設業(建築・土木)では、建設物が完成するとおしまいですが、ランドスケープ(造園)のつくる空間というものは、完成してからがはじまりでもあるのです。
また、植物を取り扱うということで、必然的に新たな使命を持つことにもなります。環境問題、自然破壊、公害問題、人間のストレス、都市環境、社会の環境の悪化等が叫ばれてる現在、緑を扱うランドスケープはこれからのエコロジー社会の大切な役割と重大な責任を持っているといえます。 |