ランドスケープってなに?

4)ランドスケープと景観創造

ヨーロッパの街を訪れると、その街の景観が統一され、個性的で調和した風景を楽しむことが出来ます。それによって街はアイデンティティ(個性)を持ち、地域社会を育み、調和した美しい環境を創り出しています。

日本では、総合的な景観を創出する手法や認識が遅れているため、景観要素の一つだけを取り上げるにとどまっている事例が多く見られます。しかし、そのサインやモニュメント、建築物など、一つひとつの建築物がいくら素晴らしいデザインであっても、周囲の景観と調和を考慮されなけらば非常に場違いな景観が造られることになり、その場の景観の破壊者となって見る人に違和感、威圧感を感じさせることがあります。

ランドスケープが景色と訳されるように、ランドスケープアーキテクツは「景観創造」としての視点から空間を描く必要があります。

景観とは目に見える全ての建築物、自然や、色彩、スケール、素材が複雑に絡み合い、その総体の価値や美しさによって見る人に伝達するイメージが決まります。一部の建造物が際だって豪華であったり、汚くてもその調和が破られ、調和した美しい景観がうまれません。

また、日本では都市化による景観の画一化が問題になっていますが、しかし、周囲の景観や、敷地の機能、風土、歴史、施主や地域住民の要望や関係など、多くのその空間に関わるものを紐とき、空間に変換することでその空間に調和した景観創出を行うことができ、その地域らしい景観を構成することが出来るのだと思います。

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