ランドスケープってなに?

5)ランドスケープと環境問題

ランドスケープは、人間の生活と自然の営みとの関係を、総合的に認識し、環境の創造・保全に関わっているため、より快適な環境の創造を行うことが求められています。そのため環境問題では、ランドスケープが創造する緑や自然などの環境整備が重要であることからも、多くの空間で環境問題に対しての配慮や対策を意識しされはじめています。

1988年7月、アメリカのボストン市での世界造園会議(International Federation of Landscape Architects 通称IFLA)でグローバルランドスケープのテーマで話し合われ、「地球規模の環境問題とランドスケープアーキテクツ、つまりランドスケープアーキテクツが地球規模の環境問題にどう関われるか、あるいはどのように関わるべきなのか」といった問題が提示され世界規模での環境問題に対して、世界中のランドスケープアーキテクツがその問題に対して目を向け始めました。

特に、現在の地球温暖化に対しては、世界中の国々や人々の価値感の転換が図られており、また早急かつ長期的な対策が求められるようになりました。

こうした地球温暖化から、都市部のヒートアイランド現象、大気の浄化、生物多様性環境の創出、水質保全など、ランドスケープが担える環境問題は多くあります。また、どんな小さな庭でも、豊かな緑は生物にとって貴重な住処でもあり、また、人々にとって、オアシスでもあります。

これらの環境保全に対して、ランドスケープの具体的な役割として、緑のインフラとしての森林整備の改善や、持続可能な管理の促進、在来種の採用と外来種のコントロールなど数多くの活躍の場が見いだされます。

せまりくる世界規模の環境問題。しかし、大切なことは、緑の効用を再認識しながら、身近な空間から豊かな環境を保全・創造することかもしれません。

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